日刊スポーツ紙面で鈴木大地スポーツ庁長官が高校野球が抱える現状について語っていた。選手ファーストの観点から、プロ球団にユースの創設を-、センバツを都市対抗方式に-、と興味深い具体的な提言が多かった。確かに国民的スポーツイベントとなった高校野球だが、議論すべき問題は多い。

高校野球の球数制限について阪神の投手陣にも聞いたことがある。40歳のベテラン能見は「天候のこともある。僕らの頃とは明らかに気温が違う」と近年の猛暑に注目し「いろんな意見があると思いますが、何を守るかが大事。高校生は守らないといけない」と力説。気候の変化が、球数制限を導入する大きな理由になるとした。

一方、28歳の西は「高校で燃え尽きたいと思うような投手だっているはず」と一概に線を引くことは難しいとした。「高野連が球数を制限するというのではなく、管理するのはあくまで監督(先生)だと思う」。選手(生徒)の進路などを踏まえて指導者が管理すべきという考え方だ。

同じプロ野球選手でも、高校生だった時期も違えば、たどってきた球歴も違う。例えば能見は私立の強豪校出身。西は県屈指の強豪校ではあるが地元の公立校出身。練習環境も部員数も違ったはずだ。両者とも「なるほどな」と納得の意見。現役プロ選手の意見も大いに参考になるのではと思った。【阪神担当 桝井聡】