<ソフトバンク3-2西武>◇9日◇ヤフオクドーム

まだ梅雨も明けていないというのに、ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームは「秋の気配」が漂い始めた。9連勝がストップしてもチームの「勢い」は止まらない。昨年リーグ王者の西武に東京、そして福岡で連勝。あっさり今カード勝ち越しを決めた。前日(8日)、東京ドームで5時間21分の激闘を制し、本拠地に戻っても3安打で豪打ライオンズに完勝するあたり、球宴明けの後半戦は「独走」の2文字が鮮明になってきそうだ。

6回以降は「守勢」だった。1点差を高橋純、嘉弥真、加治屋、そして新ストッパーの新人甲斐野が西武打線を0点に封じきった。リーグトップの115本塁打が示すように強力打線のイメージが強いホークスだが、投手陣の踏ん張りが首位堅持の屋台骨である。試合前、西武の打撃練習を見つめていた森ヘッドコーチは自らを戒めるように言った。「独走? 後半戦はそう簡単にいきませんよ」。気の緩みは最大の敵とばかりに、浮かれた様子は見せることはなかった。

ソフトバンク本社が得意とする「AI(人工知能)」ではなかろうが、試合を重ねるたびに学習能力が上がってくるようで、故障禍に見舞われながらも、カバーしている選手たちの「能力」がグングン成長しているように感じる。この日の勝利で工藤監督の通算勝利が397勝となった。400勝の大台までマジック「3」。連勝を重ねれば、球宴明けの16日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)で記念星を手にすることができる。監督5年目にしてもう400勝…。「強さ」がさらなる「強さ」を呼び込んでいる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】