真っ暗闇の中でパソコンのキーをたたくことが多くなった。阪神矢野監督が就任してから3度目となる沖縄・宜野座キャンプ。今年はこれまでに比べて明らかに練習が長い。第1、第2クールではドラフト1位の佐藤輝ら新人選手が帰りの車に乗り込むのは、午後7時過ぎ。日没が遅い沖縄でも暗くなる。
これだけの長時間練習は指揮官の並々ならぬ決意の表れか。そう思ったが、そんな単純ではないようだ。矢野監督は「あまり長くしなくていいと思っている。長いのは俺ら(首脳陣)の自己満足になる。本人らがどうするか」とあっさり否定した。ではなぜか。「ルーキーや(高卒2年目)井上とかのレベルはまだ何をしていいのか分からない。道筋を作って、ちょっと引っ張っていかなあかんから。そういうところで、長くなっている部分もある」。矢野監督はそう説明した。
今年はドラ1の佐藤輝を含めルーキー6選手が1軍キャンプに抜てきされた。高卒2年目で将来のエース、4番候補として期待される西純、井上もメンバーに名を連ねる。スタートを切ったばかりの若虎に、プロとしてのノウハウを丁寧に教え込む。そのための時間を例年以上に割いているというわけだ。
キャンプ中盤に差し掛かり、手応えを問われた矢野監督はこう言った。「チームの競争というのがすごく激しくなっている。今すぐチームとして結果を出してくれることを望んでいるだけではなく、その先を見てもいい経験が出来ている。両方を見ながらいいキャンプが送れている」。今年だけではない。その先を見据えたチーム作りが沖縄で進んでいる。【阪神担当=桝井聡】




