中日福留孝介外野手(44)が後半戦のチームをけん引している。12日のヤクルト戦(バンテリンドーム)では「5番右翼」で先発出場し、2点ビハインドの7回に同点2ラン。後半戦では8試合連続スタメン出場などを含め、3度の決勝打を放つなど、年齢を感じさせない活躍を見せている。

12日の試合後、ヒーローインタビューを受けた福留は「久しぶりに芯に当たった。打った瞬間に確信できるぐらいの本塁打だった」と喜んだ。それでも序盤の4点ビハインドから、追い上げた野手陣、失点を防いだ投手陣への思いを続けた。「みんなが少しずつ点返して、投手陣もそのあとに我慢して投げた。みんなで作った流れ。みんなで後ろにつないでいく気持ちが出てたのではないか」

今季から古巣に復帰したが、福留は中日では3度のリーグ優勝を経験。日本代表としてWBC、五輪と大舞台を踏んできた。今春のキャンプで強くなるチームを語ってくれた言葉を思い出した。

「選手1人1人が何を求められているか。自分の役割、自分がこれをすることがベストだということをすごく理解していることが大きい」

後半戦では1番京田と3番大島の間に渡辺が定着し、絶対的な主砲ビシエドへつなぐ形が定着。5番には福留が入り、状態が上がりつつある高橋周が6番に控える。9日から上位チームの巨人、ヤクルト相手に決めた今季2度目の4連勝は、明確になった投打の役者が作ったもの。シーズン終盤戦で中日がセ・リーグのカギを握る気配がしてきた。【中日担当=伊東大介】