「けがの功名」にしたいところだ。7月、球団記録に並ぶ新人監督7連勝と絶好調だった日本ハムに突然、新型コロナウイルスが襲いかかった。7月17日に3選手が「特例2022」適用で抹消になると、前半戦終了の24日までに特例適用で1軍を離れた選手は、わずか1週間で15人に。さらには、エース上沢と首位打者の松本を故障で欠く事態となり、絶好調から一転、チーム状況は火の車となってしまった。

新球場が開業する来季を見据えて、当初は「オールスター明けから、ポジションも打順も固定していく」と選手に「第1次トライアウト」の終了を宣告していたBIGBOSSだったが、計画の変更を余儀なくされ、レギュラー争いは延長戦に突入。既に当確した選手もいるだろうが「これまで結果を出せなかった選手は、この期間中に固定メンバーの中に入って来て欲しい」。7月に入ってから、続々と1軍に昇格した元BOSS組(2軍)によるアピール合戦が始まった。

幸い、高卒新人投手と故障者を除き、ほぼ全ての選手が1度は1軍を経験していた。再調整で2軍落ちしたのだから、このチャンスに燃えないわけがない。道産子びいきにはなるが、24日ロッテ戦(札幌ドーム)で今川が放った満塁弾にはしびれたし、29日楽天戦(楽天生命パーク)ではコロナで離脱した野村に代わって三塁を守る佐藤が、安打性の打球を横っ跳びで好捕して一塁へ強肩発動。レギュラー争いに食らい付こうと、誰もが必死だ。

投手陣でも、先発の田中や根本、29日同戦でプロ初セーブを挙げた北浦ら、アピールが続く。延長戦でBIGBOSSの想定を覆す選手が出て来るか。楽しみにしたい。【日本ハム担当=中島宙恵】