球界最年長の男にWBC優勝はどう映ったのか-。

「世界トップレベルのゲームを見たということで、すごく刺激もらいましたし、いろいろなヒントがあると思いながら見ていました」

ヤクルト石川雅規投手(43)のそれは「探究心」というひと言では片付けられないものがある。1次ラウンドで日本打線が苦しめられたチェコのサトリア投手が投げたチェンジアップについても「すごいチェンジアップだった。投げられるなら投げたい。いろんなものを見ながら吸収できるものは吸収したい」と語る。

さらにヤクルトから侍ジャパンに選出され世界一決定時の捕手だった中村や、投手の高橋にも「ピッチャーがどういうボールを投げていたか、自分が気になっていることは質問したい。いろいろ聞きたい」と知的好奇心があふれた。

村上、山田も含めヤクルトから4人もの選手が選ばれ見事に優勝に貢献。「スワローズの選手が4人いて、決勝もそうですけどスタメンに(野手)3人が名を連ねることが多くて気持ちが入りました。(高橋)奎二も1試合しか投げませんでしたけど、ブルペンやベンチにいる姿を見て刺激をもらいました」と後輩たちの活躍に目を細めた。

野球熱が日本中に充満している中、31日広島戦(神宮)でシーズン開幕を迎える。通算200勝までは残り17勝。「常に頭のどこかにその数字はありますよ」と話す一方で「シーズンが始まると目の前の1勝、チームにいかに勝利を持って来られるかに集中している」と話す。マクロとミクロと視点を切り替えながら、自分が今やるべきことにフォーカスする。球界最年長として迎えるプロ22年目の一挙手一投足に、注目していきたい。【三須一紀】