ヤクルト奥川恭伸投手(23)復活のおかげで、阪神ファンには楽しみができた。西純矢投手(22)との「新・宿命の対決」である。

奥川は故障から涙の復活を遂げ、2戦2勝とローテーションに返り咲いた。19年ドラフトでは、1位でヤクルトのほか、巨人、そして阪神も入札した。外れ1位に阪神が選んだのが西純だった。

阪神入りした外れ1位投手と、そのときの初回入札投手が先発で投げ合えば、湯舟敏郎VS小池秀郎、岩貞祐太VS大瀬良大地に次ぎ3組目となる。

90年ドラフトの目玉だった亜大の小池には、実に8球団の入札が殺到した。交渉権を得たのはロッテだったが、小池は入団を拒否。抽選に外れた阪神は、本田技研鈴鹿の湯舟を指名した。一方の小池は松下電器(現パナソニック)を経て、92年のドラフト1位で近鉄入りした。

当時は交流戦導入前だったため、公式戦で近鉄小池が阪神戦に登板することはなかった。ところが00年にトレードで中日へ移ったため、湯舟と投げ合う機会が生まれた。

初対戦は00年4月16日。湯舟が3安打完封勝利を収め、外れ1位の意地を見せた。小池は6回1失点と好投したが、打線の援護がなかった。8月2日のリターンマッチでは、湯舟が4イニング、小池が3イニングでともに3失点。試合は阪神が勝ったが、2人に勝敗はつかず痛み分けに終わった。

2組目の岩貞VS大瀬良は、目下のところ岩貞の分が悪い。過去4度対戦し、岩貞の1勝3敗、大瀬良の3勝1敗だ。14年9月13日、17年6月25日、同7月18日と岩貞が3連敗。20年7月4日に、ようやく初星を挙げ大瀬良に土をつけた。

今季の西純は1軍で3試合にいずれも救援登板し、防御率1・93と安定していた。先発としての調整目的で、6月26日に2軍落ち。ローテーションが苦しくなる夏場に向け、出番に備える日々だ。

ライバルの復活なった今季から、西純との本当の勝負が始まる。ドラフトの評価で上を行かれた悔しさを、晴らす機会がやってくる。

【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)

ヤクルト奥川恭伸(2024年6月撮影)
ヤクルト奥川恭伸(2024年6月撮影)