<パ・CSファイナルステージ:ソフトバンク2-1日本ハム>◇第1戦◇15日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンク「4番打者」の送りバントが勝利を大きくたぐり寄せた。1-1の同点で迎えた延長10回。先頭栗原が四球を選び、打席に入った4番中村は初球146キロの直球をしっかり投前に転がした。ソロ本塁打を1発ずつ打ち合った緊迫戦。その後、1死満塁から山川のサヨナラ適時打で3時間25分の熱戦はピリオドを打った。
「僕にはバント(の指示)もありますし、あまり4番打者という意識はありません。4番目に打つ人という感じですかね」。シーズン中もそう言いながら、143試合、欠かすことなく中村は試合前のバント練習を繰り返してきた。ちょうど1年前。日本ハムとのCSファイナルシリーズ。3連勝を飾ってシリーズ進出を決めたホークスだったが、「代打」が主な役割だった中村に出番はなかった。
試合前の打撃練習。ケージで快音を響かせる背番号「7」の姿に目を細めていたのは、テレビ解説で福岡にやって来ていた松井稼頭央氏だった。「アキラ(中村)は、すごいですよね。昨年から、ずっと気持ちを切らすことなく準備していますから。『もういいか』とか、そういう気持ちにならないのがすごい。ずっとすべてにおいて準備している」。もう10年以上も前になる。メジャーから日本に戻り楽天でプレーした松井氏は、中村と食事をする機会があった。打撃に関して「天才少年」と中村の非凡な才能に注目していた。少年時代から憧れの存在だった松井氏との初会食。緊張でコチコチだった中村の姿を思い出し「懐かしいですね」と松井氏は笑っていたが、何事にも徹底して準備を怠らない姿にプロ18年目の大いなる成長も感じ取っていたようだ。
中村はこの日、3打数無安打に終わり、快音を響かせることはできなかった。だが、頼れる4番として最高の「快打」を決めた。【ソフトバンク担当=佐竹英治】




