大谷翔平投手(29)と山本由伸投手(25)が今季から名門ドジャースに加わった。世界一を目指し、共闘する仲間たちを紹介する。

19年10月、ナショナルズとの地区シリーズ第5戦で先発するドジャース・ビューラー
19年10月、ナショナルズとの地区シリーズ第5戦で先発するドジャース・ビューラー

「もう大丈夫。いい感じだよ」。キャンプ初日。ドジャースのウォーカー・ビューラー投手(29)は、屈託のない笑顔で再出発となる区切りの1日を振り返った。22年8月に2度目のトミー・ジョン手術を受け、昨季は登板機会がなかった。新加入の山本相手のキャッチボール後は、フリードマン編成本部長、ゴームズGM、ロバーツ監督ら首脳陣が見守る前でブルペン入りし、持ち前の美しい軌道の快速球を披露。完全復活間近を印象付けた。

エース左腕カーショーの後継者として期待され、今オフにFAとなるビューラーにとって、今季は勝負の1年となる。17年9月、「セプテンバー・コールアップ」でメジャーデビューした最速100マイル(約161キロ)の快速右腕は、翌18年から先発ローテに定着。イニング制限がある中で8勝を挙げ、足場を固めた。

19年には球宴に初選出され、全国区のスター選手の仲間入りを果たすと、21年には自己最多の16勝4敗、防御率2・47の好成績をマーク。22年には故障がちだったカーショーに代わり、初の開幕投手に指名された。

ところが、22年終盤、右肘に異常を訴え、8月23日に自身2度目となるトミー・ジョン手術を受け、長いリハビリ生活を余儀なくされた。昨年9月にはマイナーで実戦へ復帰した。ポストシーズンでの登板も可能だったが、球団側の総合的な判断で復帰を断念。昨季はメジャーで登板することなく、シーズンを終えた。

ビューラーの年度別メジャー成績
ビューラーの年度別メジャー成績

現時点で、すでに他の投手と同じメニューをこなすなど、順調な仕上がりを見せているものの、術後のブランクがあり、イニング制限もあるため、首脳陣はスロー調整の方針を固めた。ロバーツ監督は「いくつかのチェック事項をパスして彼の準備が整うこと。それがいつになるかは分からない」と、ポストシーズンを含む長丁場を見据え、慎重に復帰時期を選択する見通しを明かした。

その一方で、大谷や山本ら大型補強に伴い、ドジャースへの注目度が格段に増したことを好材料として捉えるプラス思考は、ビューラーの特性。「毎日がフットボール(NFL)のある日曜日になったみたい。チームとしても我々にとってもグレートなこと。より注目されることはチームのみんなにとって素晴らしいことだと思うよ」。周囲からの重圧や視線をプラスに捉えられるメンタリティーこそ、ドジャースのエース候補には、不可欠に違いない。【四竈衛】

ウォーカー・ビューラー22年の投球内容
ウォーカー・ビューラー22年の投球内容

◆ウォーカー・ビューラー 1994年7月28日、ケンタッキー州レキシントン生まれ。高校卒業時の12年、パイレーツからドラフト14巡目(全体436位)で指名されたが、名門バンダービルト大へ進学。15年ドラフト1巡目(全体24位)でドジャース入りした。契約後、すぐにトミー・ジョン手術を受けた。188センチ、83キロ。右投げ右打ち。今季の年俸は802万5000ドル(約12億400万円)。