「頑張ることは…つながるんやって」

21日に放送されたNHK連続テレビ小説「エール」で、早大の応援部団長が主人公に語りかけた言葉だ。

夏の甲子園大会の中止が決まった一夜明け。応援歌「紺碧の空」を作曲してもらうため、古山裕一(窪田正孝)を涙ながらに説得する田中隆団長(三浦貴大)の言葉が心に刺さった高校野球ファンも多かったことだろう。

朝、新聞を開くと多数のプロ野球選手や芸能人らが甲子園の中止についてコメントしていた。「残念」「頑張れ」「前を向いて」…。高校球児への温かなメッセージに胸が熱くなった。

高校野球はなぜ愛されるのか。様々な理由があると思うが、これまで何千、何万という高校球児たちが頑張ってきたからだろう。彼らのプレー、笑顔、流した汗と涙が見る人に勇気や感動を与え、そしてエールとなって高校球児に戻ってくる。その繰り返しがつながって、つながって多くのファンを魅了するのではないか。

残念ながら今夏、高校生が甲子園でプレーする夢は消えた。3年生は最後のチャンスをコロナに奪われた。

ただ、夢の舞台はなくなっても頑張った姿は後輩たちへ受け継がれていく。下級生たちはその背中をきっと見ている。

「頑張ることは…つながるんやって」

来年、103回目の夏。今年の3年生の思いが、未来へとつながるエールになると信じたい。【デジタル編集部・福田豊】