今春の関東大会でセンバツ優勝校の東海大相模を撃破した山梨の強豪、日本航空を6月3、4日に訪れた。学校に到着すると、まず目に飛び込んできたのは敷地内に伸びる滑走路だった。そしてその奥には、美しい富士山が見えた。

「アップや冬場のランニングトレーニングでは滑走路を使用することもあるんですよ」と野球部の櫻井諒佑部長が教えてくれた。「航空科の生徒は専門の授業を受けます。整備士を目指す選手やキャビンアテンダントを目指す女子マネジャーもいるんですよ」。

撮影を開始すると「一体どこにそんなパワーがあるのだろうか」と不思議に思うほど選手は力強かった。朝の6時から自主練習を開始し、23時の消灯時間の1時間前に、ようやく寮に戻る。櫻井部長の「うちはとにかく練習時間が長いです」の言葉にうなずかせられる。極めつけは「部屋にいる時は何をしているの?」と選手に聞くと、「みんな筋トレにハマっているので、廊下とかで(筋トレ)やってます」と笑顔で返してきた。野球が大好きで仕方がない思いがひしひしと伝わってきた。

この日、主力メンバーは公式戦が行われる山日YBS球場で練習を行った。コロナ禍で練習試合をする機会がなかったチームに、少しでも球場の感覚をつかんでほしかったからだ。ノックや紅白戦は本番さながらの緊張感で行われた。

7月21日、準決勝で東海大甲府と対戦する。甲子園まで、あと2勝だ。【撮影・編集 青山麻美】