<決勝:日本2-1台湾>◇10日◇台北市立天母野球場


日本代表は先発の前田悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が1失点完投で前日の雪辱を果たし、日本代表は初優勝を果たした。

試合の勝敗を分けたのは、4回1死二塁で丸田湊斗外野手(3年=慶応)のセーフティーバントだった。先発右腕孫易磊の初球チェンジアップを、一、二塁間に狙ったバント。

だが、チェンジアップだっただけにバットの先でのバントとなり、投手の左側に転がった。これをかがんで捕球した孫易磊は、下手投げで一塁にトス。丸田のスピードが勝り1死一、三塁として、この後のスクイズ、さらに失策が出ての逆転に成功した。

日本が勝つにはこうした展開がもっとも可能性が高かった。それだけに丸田の判断と実行力は光った。私が見ている範囲では、ベンチのサインではなく丸田の判断だったように感じる。

それも相手守備陣は意表を突かれた印象を受けた。私も、速球派孫易磊を丸田はどう打つのかなと注目していただけに、初球セーフティーバントには驚かされた。

判定はいったんアウトとなったが、日本ベンチがチャレンジ。これが奏功して一転セーフとなり、逆転への道筋が見えた。際どいプレーだったが、そこにかけた丸田のチャレンジが、ビッグプレーにつながった。

その後、5回以降に橋本、寺地もセーフティーバントを試みる場面があり、いずれもファウルになったものの、チームとして何とか打開しようという連鎖につながった。

やはり、こうした試合展開に持ち込んだ時の日本はしぶとさがある。もちろん、先発した前田の好投は言うまでもなく、しっかり守り切った点も大きかった。

尾形樹人捕手(3年=仙台育英)はこの試合でもボールをそらす場面があった。大会を通じて尾形はよくボールを止めていたと感じる。ワンバウンドを体で止める場面も何度もあり、投手陣に安心感を与えるブロッキングをしていた。

ただし、捕手がつらいのは、1度でも暴投を止められないと、それが非常に目立つことだ。それが失点に絡むと、なおさら際だってしまう。そこが捕手のつらいところであり、試合を通じて止め続けなければならない難しさでもある。

前日の台湾戦では4盗塁されたが、決勝では1盗塁。前田が質の高いクイックで走らせなかったことがポイントだった。

野手では鋭い打球を連発した緒方漣内野手(3年=横浜)、投打で活躍した武田陸玖投手(3年=山形中央)、投手ではエース前田、東恩納蒼(3年=沖縄尚学)のプレーが非常に光った。

この大舞台での活躍をもとに大学野球、あるいはプロ野球で成長していく姿が楽しみだ。(日刊スポーツ評論家)

1回、一ゴロに倒れる丸田(撮影・柏原誠)
1回、一ゴロに倒れる丸田(撮影・柏原誠)
4回、敵失で生還した丸田(右)は緒方と喜ぶ(撮影・柏原誠)
4回、敵失で生還した丸田(右)は緒方と喜ぶ(撮影・柏原誠)
4回、敵失で生還した丸田(撮影・柏原誠)
4回、敵失で生還した丸田(撮影・柏原誠)
【イラスト】U18W杯・04年以降の日本成績
【イラスト】U18W杯・04年以降の日本成績