「うまいこといってるんちゃうねん。うまいこといくようにやってんねん。言い方で、だいぶ違うで」

快勝後の指揮官・岡田彰布にしかられた。「やることなすこと、うまいこといってるみたいに見えますけど」。囲み取材が終わった後の雑談。何げなく、というか率直に感じたことを口にすると冒頭のセリフがぴしゃりと返ってきた。

どこまでも強気である。そして、そうでなければ戦えない。そんな岡田の姿勢をあらためて感じた一瞬だった。それにしてもこの時期で貯金「15」とは。絶好調なのは間違いない。

この試合、細かいところに注目していた。「移動ゲーム」というポイントだ。いつも書くけれどセ・リーグで不利なのは広島、阪神、そして中日の東京から遠い順番だと思っている。いわゆる「在京3球団」が移動が少ないのに比べ、この3球団の遠征はすべて新幹線利用になるからだ。

快進撃の今季でもその不利さは少し表れていたかもしれない。移動日を挟まない試合、新幹線を降りて戦う試合はこの日までに5試合あり、結果は2勝3敗と負け越していた。

「移動ゲームはそら、しんどいよ。選手もな。出ていくときより、ホームに戻ってくる時の方が時間が早い分、しんどいよな」

岡田がそう言ったようにこの巨人戦は東京から甲子園まで戻ってきてのゲームだった。だからというわけでもないだろうが前半は打線が湿りがち。それでも左腕・桐敷拓馬が好投し、7回のワンチャンスをいかしての逆転勝利だ。

今後を見れば関東から甲子園に戻って試合という日程は6月2日、西武3連戦後のロッテ戦だけ。8月に広島-横浜の遠征があり、これがもっとも長距離移動だがロード中なので時間的な余裕はあるはず。その視点から言えば、この試合を取ったことには地味ながら意味があると思う。

それにしても負けない。最後に負けたのが先週19日なので1週間以上、黒星がない状況になった。「この時期で貯金15はどう思いますか?」。虎番記者からはそんな質問が飛ぶ。

「いやいや、そら、まだまだやろ。貯金23でも勝てんかったやんけ。そんなんおまえ」。強気の岡田だが、そう苦笑し、自ら08年の屈辱に触れた。前任者・矢野燿大が指揮を執った21年も快進撃の時期はあった。まだまだ緩まない。緩むはずがない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対巨人 試合後、プロ初勝利の阪神桐敷(左)は岡田監督からねぎらわれる(撮影・滝沢徹郎)
阪神対巨人 試合後、プロ初勝利の阪神桐敷(左)は岡田監督からねぎらわれる(撮影・滝沢徹郎)
阪神対巨人 試合後、プロ初勝利の阪神桐敷(左)は岡田監督と記念撮影する(撮影・滝沢徹郎)
阪神対巨人 試合後、プロ初勝利の阪神桐敷(左)は岡田監督と記念撮影する(撮影・滝沢徹郎)