原口文仁がいい。24日、宜野座で行われたDeNAとの練習試合。8回に快音を響かせた。2死一、二塁で代打に出る。ここで昨季まで阪神に在籍した左腕・岩田将貴の真っすぐをとらえ、大きな中越え適時二塁打をマークした。

「ボクもいい競争をしないといけない立場。結果とか内容も必要になってくるので、そこも求めてやっていきたい。今のところ順調に来てますね」。試合後、虎番記者に囲まれた原口は真摯(しんし)な態度でそう話したのである。

昨年オフにFA宣言。阪神では冷静に見て、今季も代打要員の可能性が高い。より多くの出番を求めての宣言だったがさまざまな要素で残留が決まった。戦力としてはもちろん、その態度など若手の見本という意味でもよかったと思う。もちろん、本人は必死だと思うがそれもチームを活性化させるはずだ。

そんな思いが結果にも表れているのか。この日まで紅白戦、練習試合、オープン戦を含めて10打数7安打の打率7割、3打点を記録している。まだ2月、シーズンに向けては早いけれど、やはり頼りになるところを示しているのだ。

そんな原口をベタ褒めしていたのが広島3連覇監督の緒方孝市(日刊スポーツ評論家)だった。先日、スカイAの解説で宜野座を訪れていたが、そのとき、こんな話をしていた。

「練習と同じタイミングで(実戦で)打てている。余計な力が抜けているのがいい。文句なしでしょう」。打撃には厳しい緒方にそう言わせるほど好調ということだ。それと同じにしては申し訳ないのだが、それで思ったのはこんな話だ。

例えば素人のゴルフ。練習ではうまく打ててもラウンドでは全然ダメということはよくある。覚えのある方もいるだろう。なぜできない? と思うけれどできないのだ。そこのコツはどこにあるのか原口に教えてほしい-。

「いやいや、緊張もするし、力も入りますけどね。とにかく自分がやろうと思っていること、やるべきことにしっかりとフォーカスしています。そうすれば外的要因はあまり影響しないのかな、と思っています」

いまの原口で言えば「打撃の基本であるセンター中心に打ち返すことを心がける」ということのようだ。自分が取り組んでいることに、まず、集中する。野球だけの話でもないな、と思って聞いていた。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

練習試合阪神対DeNA 8回裏阪神2死一、二塁、原口は中越えに2点適時二塁打を放つ(撮影・藤尾明華)
練習試合阪神対DeNA 8回裏阪神2死一、二塁、原口は中越えに2点適時二塁打を放つ(撮影・藤尾明華)