虎党は分かっているな、と思ったのが8回だ。先頭で代打・木浪聖也が二塁打を放つと大声援が起こった。4月19日を最後に遊撃のスタメンを小幡竜平に譲っている木浪である。小幡とそれぞれファンはいるだろうが切磋琢磨(せっさたくま)してほしいと思う。
だが、この攻撃の意味はそれだけではない。木浪の二塁打をキッカケに阪神は敵失もあり、ダメ押しもダメ押しの7点目をマークしたが、これは大きいと思うのだ。3回までに、虎党も気が重くなる巨人・岡本和真の負傷交代というアクシデントもあって浮き足だった巨人から6得点。だが、その後は巨人ブルペン陣の前に無得点が続いていた。
序盤の大量点だけで終われば、なんとなく尻すぼみという感じもする。そう考えれば8回に挙げた1点の意味は大きいのだ。そしてこの1点で今季、阪神の総得点は「120」となった。これはリーグ・トップはもちろん、ソフトバンクよりもオリックスよりも多い12球団最多だ。
これで首位に立ったチームには躍動感がある。この日は若い中川勇斗が「7番・左翼」でスタメン出場。5回にヘッスラによる内野安打で初ヒットを記録するとガッツポーズで感情を思い切り出していた。いろいろな選手が出てくるな、という印象だ。
チーム状態がいいときに若い選手を起用するのは不安も伴うもの。そのあたりを指揮官・藤川球児に聞くと「きょう合流したわけではないし、日々、練習から見ている。ふってわいたようなことではない」。すでにチームの一員として認めているということだろう。
これで今季、東京ドームで負けなしの5戦5勝。巨人戦も実に7勝1敗だ。こうなると楽しみなのが7日の第3戦である。巨人の先発は明石商出身、山崎伊織。現在、開幕から35イニング連続無失点とセ・リーグ記録を更新中だ。失点しない山崎と120得点の阪神打線。「矛と盾」の戦い…とまでは言わないにしても注目の一戦だろう。
「ウチは先攻。思い切って攻めていくような形になると思います。受け身ではないですから。覚悟して、また明日、勝負を挑みたいですね」。その一戦に向け、球児はそう言った。
7日は連休明け。重たい気分の人もいるだろうが素早く帰宅して、テレビ観戦で「伝統の一戦」というのもリフレッシュの一手かもしれない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




