敦賀気比(福井)に伝説のスラッガーが誕生した。

 大阪桐蔭相手に、6番打者の松本哲幣(てっぺい)外野手(3年)が、甲子園では史上初の2打席連続の満塁ホームランをかっ飛ばした。1回に2死満塁からフォークボールを左翼席へ運ぶと、2回2死満塁で巡ってきた2打席目は、直球に反応し左翼ポール際に運んだ。「いつも通りの自分の打撃をしただけ。最高の気分です」。公式戦では初となるアーチをマークするととんでもない記録を打ち立てた。

 1試合8打点も史上最多。当時星稜の松井(元ヤンキース)、PL学園桑田(元巨人)らがマークした7打点を上回った。「びっくりです」。昨年秋から右翼ポジション争いに敗れ、背番号「17」に甘んじていた男が素質を一気に開花させた。東哲平監督(34)も「レギュラーでもおかしくないくらい力はある子だが、甲子園球場が打たせてくれたんでしょう」と目を丸くしていた。

 プロ野球では2006年に巨人二岡が史上初の2打席連続満塁本塁打を記録している。