帝京長岡が2年連続の8強入りを決めた。打線が16安打12得点の猛攻で、7回コールド勝ちした。エースで4番の藤塚柊(しゅう=3年)が5打数4安打、3打点。投げては5回2死満塁のピンチから救援し、2回1/3を無失点に抑えた。8強が出そろい、23日に準々決勝4試合(ハードオフ新潟)が行われる。

 打ち出したら止まらない。藤塚のバットが快音を続けた。まずは初回だ。無死二塁から2番早川朋宏(3年)が、バントに失敗。続く3番長谷川塁(3年)も二ゴロで、沈んだムードが漂った。だが藤塚が2死二塁から、初球カーブを左前へ先制適時打。つぶしかけたチャンスを主砲の快打が救った。

 中島茂雄監督(40)は試合後、「送れずに嫌な雰囲気になったところを藤塚が1本、出してくれた」と真っ先に褒めた。猛攻の口火になった一撃は、本人も楽にさせていた。「1本出てリラックスできた」。5回には無死一、二塁から走者一掃の左中間二塁打を放つなど、5打数4安打3打点の大暴れ。2年連続8強入りの立役者となった。

 3回戦の新潟明訓戦では6打数ノーヒット。延長13回の末、勝利した歓喜の輪に入れなかった。藤塚は「4番として打てずに悔しかった。明訓戦では体が突っ込んでいたので、引き付けて打つことを意識しました」と、小千谷市の自宅でも素振りに取り組んで修正。この試合の爆発につなげた。

 「4番一塁」で先発したが、背番号「1」を背負っている。中島監督は「(投球の)安定感なら藤塚」と評価するも、連戦の夏を乗り切るために、184センチの長身左腕、バンゴーゼム・ゲレック・高(こう=2年)と藤塚の継投策の方針だ。この日も、5回2死満塁のピンチから救援。7回まで2回1/3を投げ、2安打、無失点に抑えた。藤塚は「(先発には)後ろでスタンバイしてるから、思い切り投げろといってあります」。チームの大黒柱の言葉は、力強かった。【涌井幹雄】