第1シードの鶴岡東が昨夏覇者の山形中央を下し、4年ぶり7度目の決勝進出だ。3回1死満塁、4番阿部大外野手(3年)が右越えに走者一掃の二塁打を放ち先制。継投で逃げ切った。

 秋、春2季連続優勝の鶴岡東が、4番阿部大の一打で4年ぶりの決勝進出を決めた。3回に3四死球でつくった1死満塁のチャンスで、外角直球を逆方向に打ち返した。「前がつないでくれた。走者をかえしたかった。去年の準決勝で山形中央に負けている。チャンスで打てなくて悔しかった」。チーム初安打となる走者一掃の二塁打で3点先制し、継投で逃げ切った。

 2安打で粘り勝った。佐藤俊監督(43)は「練習試合でも聞いたことがない。あの回しか点とってない」と振り返った。4回に2本目となる一塁内野安打を放った先発松崎祥弥(3年)が5回2/3を11安打2失点。6回2死満塁ではエース福谷優弥(3年)が相手4番青木を114キロのスライダーで空振り三振を奪い、ピンチを脱した。

 あと1勝だ。センバツ出場をかけた秋の東北大会準決勝、大曲工戦で1点リードの8回裏に逆転されて、つかみかけた甲子園を逃した。阿部大は言った。「先を読んだりしないで、1球1球大事にやっていきたい」。狙った獲物は、もう逃がさない。【高橋洋平】