聖光学院は、エース森久保翔也(3年)が1安打1失点で完投し、福島工に勝利。戦後最長の夏9連覇へ王手をかけた。

 森久保が見事な投球で決勝進出を導いた。初回に四球と適時打で1点を失ったが、与えた安打はその1本だけ。「球が走っていた」と2回には自己最速を1キロ上まわる141キロをマーク。3回から8回まで3者凡退で抑えるなど、打たせる投球に徹し、109球で完投した。継投プランも頭にあったという斎藤智也監督(52)は「いいピッチングだったのでそのまま預けちゃおうと。『代わるか』と聞いたら、『いかせてくれ』と言ったので」と、うれしそうにエースの好投を振り返った。

 戦後最長記録の達成に期待がかかるが、チームは目の前の1勝にこだわってきた。森久保は「これまでの8連覇は先輩たちが築いてきたもので、自分たちは関係ない。優勝すればそれが9連覇につながる」と、静かに気持ちを高めた。