全国高校野球選手権大会(6日開幕、甲子園)に出場する早実(西東京)のスーパー1年生・清宮幸太郎内野手が2日、関西に上陸した。陸路で大阪に移動し、兵庫・尼崎市内の宿舎入り。今日3日は組み合わせ抽選会に臨む。

 怪物ルーキーが、戦いの舞台となる関西にやってきた。清宮は東京から約3時間の移動の疲れも見せず、「WASEDA」のタオルを握り締めながら笑顔でバスを降りた。急きょ変更された宿舎の前ではテレビカメラ2台など報道陣約10人が待ち構えたが、大きな混乱はなし。午後6時15分、静かにロビーへ入った。

 甲子園初見参の清宮に対する、関西の野球少年たちの期待は高い。近隣に住む年配男性は「清宮が来るんか? 子どもたちが楽しみにしとるで」と話した。東京北砂リトル時代にリトルリーグ世界選手権で世界一に輝き、早実入学直後から不動の「3番一塁」に君臨。都大会で打率5割をマークし、異例の“フィーバー”を巻き起こしている16歳に、聖地で熱視線が注がれるのは間違いない。清宮自身も甲子園行きを決めた後に、「わざわざ甲子園まで行って、期待に応えられないのは楽しくない。打ったときの歓声が力になる」と、大観衆の声援を望んでいる。

 今日3日には運命の組み合わせ抽選会を迎える。7月30日の公開練習後、報道陣から対戦したい相手を問われた清宮は「どの相手(とやりたい)とかはないです。甲子園に出てくるのは、どの投手も高校生トップクラスですから」と言った。自分の打席だけに集中する、ぶれることのない「清宮スタイル」で、日本一を目指す戦いに臨む。【鹿野雄太】