早実(西東京)・清宮幸太郎内野手(1年)が、最高の感触を残したままプロ注目右腕に挑む。仙台育英・佐藤世を想定したフリー打撃の30スイング目、両翼100メートルの右翼スタンドに放り込んだ。「気持ちよかったです。完璧でしたけど、試合になったら振りも鋭くなるので、もっと飛ぶと思います」と不敵な笑みを浮かべた。

 豪快な1発締めで、周囲の不安を吹き飛ばした。前日17日の第1打席で痛めた左手親指にはテーピングをし、練習中に気にするそぶりも見せたが「バッティングも悪くなかった。影響ないです」ときっぱり。出場については「昨日はひたすら圧迫して冷やした。痛みはなくはないし、ちょっと赤くなってるけど大丈夫です」と問題なさそうだ。

 どんな相手でも、信念は曲げない。今大会の2本塁打は、いずれも甘く入った「勝負球」を仕留めた。佐藤世は最速146キロの直球と落差のあるフォークが武器。「大会を代表する好投手ですけど、自信のある球を打ったらダメージは大きいと思う。自分の形を崩されなければ、どんな投手でも打てる。勝負を楽しみたい」と自信をのぞかせた。

 また高校野球の歴史に名を残す。1年生の2試合連発は学制改革後初で、大会2本塁打、8打点はPL学園(大阪)桑田に並んだ。清宮は「チームが勝つことが最優先」と前置きした上で「(3試合連続で)出たらいいかなと思います」と言った。前人未到の記録を打ち立て、全国制覇に王手をかける。【鹿野雄太】