第98回全国高校野球選手権(7日開幕=甲子園球場)に2年連続10度目の出場を決めた中越ナインは1日、大阪入りした。それに先立つ学校の正面玄関前で開かれた壮行会では、広川健介主将(3年)が「たくさんの方々に集まっていただき、うれしく思う。プレーで、勝利で、恩返ししたい」とあいさつ。約600人がナインを見送った。

 中越ナインへの期待の大きさは、集まった人数に表れた。開始25分前に校内放送で壮行会開催のお知らせが流れたが、見送りのために約600人が集まった。夏休みの校舎からは部活動中の運動部員、一般生徒、教職員が。長岡市民、地域住民らがナインの勇姿を目に焼きつけた。本田仁哉監督(39)は「みなさんの思いをすべて集めて、頑張ってきたい」と話した。

 2年連続の出場。県内最多の出場回数は、大台の10度目。94年の甲子園2勝以来の勝利を、誰もが期待していた。「中越魂で堂々と力強く戦ってほしい」とナインを激励した八田元史校長は「一緒に校歌を歌う日は、確実に近づいている」と22年ぶりを待望した。本田監督は「10回目を節目の甲子園にしたい」と希望に応える意欲を見せた。

 この日の中越ナインは移動だけ。「(関西の)暑さを体感して体調管理してほしい」(本田監督)と、まずは環境に慣れることから始めた。きょう2日は甲子園練習。組み合わせ抽選会は4日と、7日開幕の大会はもう、秒読み。「目の前のワンプレー、1球、そして1勝。そこに全力を注ぐ」。本田監督の視線は、まだ決まっていない相手とのゲーム本番に向けられていた。【涌井幹雄】