村上桜ケ丘と日本文理が決勝進出を決め、北信越大会(10月15日開幕=長野)の出場切符3枚のうちの2枚を獲得した。村上桜ケ丘は上越に3-2のサヨナラ勝ち。9回1死二、三塁の場面で太田優希(2年)が二塁内野安打を放ち、ゲームの終止符を打った。きょう20日は決勝と、北信越3枚目の切符をかけた3位決定戦が行われる。
執念の一撃だった。2-2で迎えた9回裏1死二、三塁。サヨナラのチャンスに太田の打席が巡ってきた。相手は満塁策を採用せずに、この日3打席無安打だった175センチ、85キロのパワーヒッターに勝負を挑んだ。「走者は三塁。内野ゴロでも点は入る」。そう念じて外角低めの変化球に食らいついた。思惑通りに打球を二塁へゴロで運んだ。センター方向に走って捕球した大竹晃平(1年)は送球できないまま。三塁走者の橋本瞭(2年)が本塁を駆け抜け、試合にピリオドを打った。
完封ペースのゲームが大きく動いたのは、最終回だった。8回まで被安打2で好投していたエース遠藤壮真(2年)が、勝ちを意識して投げ急いだ。長短3安打を浴びて2-2の同点に追いつかれた。「足をすくわれた。投げ急いで球が高めに浮いたのも反省点」。しかし、試合がリセットされても、エースは勝利を信じていた。
太田が打席に入ったとき、遠藤の勝利への思いは、確信に変わった。「長打が打てる。ここで決まる」。打席に立つ同僚に、こんな声もかけている。「犠飛でいいからリラックスしていけ」。松田忍監督(67)の指示「ベルトラインの高さの球を思い切り振り抜け」も同時に伝えた。
ところが、太田は外角低めの変化球を強振してゴロを打った。「低めの変化球の見極めが悪くて、最近は調子を崩している」と立役者は話したが、勝利への思いが打球に乗り移った。二塁への内野安打が、劇的なサヨナラ打になった。【涌井幹雄】

