履正社(大阪2位)が神戸国際大付(兵庫1位)を8-2で下し、11年ぶり2度目の優勝を飾った。前チームからの主軸、安田尚憲内野手(2年)若林将平外野手(同)の3、4番コンビが2人で4安打3打点を挙げ、チームを25年ぶり5度目の春秋近畿大会連覇に導いた。履正社は11日開幕の明治神宮野球大会に出場する。互いに勝ち進めば、決勝で怪物・清宮幸太郎(2年)を擁する早実(東京=西東京)と顔を合わせることになる。

 怪物エース寺島成輝(3年)を超え、全国の舞台で怪物・清宮と対決する。履正社が91年天理(奈良)以来の春秋近畿連覇。チームが変わっても強さは変わらなかった。「寺島さんら先輩が抜けられて弱くなった、と言われるのは悔しかった。近畿で優勝しようとみんなで話して勝ち上がってきました」。来秋ドラフト候補の安田の声も弾んだ。

 3回は若林の押し出し四球で先制。7回は安田の左中間二塁打から好機をつくり、片山悠捕手(2年)の2ランなどで4点を追加。8回は若林の2試合連続の18号2ランでダメを押した。「スタンドからの寺島さんらの声援が聞こえて力になりました」と感謝した。

 岡田龍生監督(55)は春の近畿大会府予選中、母静子さん(享年83)を肺炎で亡くした。草創期の女子プロ野球選手だった母は、最初の野球の師匠だった。「夏の甲子園を決めたあとに選手に伝えました。秋もここまで勝つことができて、選手たちに感謝です」と語るうちに目が潤んだ。

 寺島が届かなかったセンバツに近畿王者で臨む。その前哨戦が11日開幕の明治神宮野球大会だ。「清宮君は球を飛ばせるホームラン打者。本塁打を打つ技術があるのだと思う。ぼくも神宮で本塁打を打ちたい」と安田。西の看板打者も負けてはいない。【堀まどか】