公式戦初先発の高崎健康福祉大高崎・向井義紀投手(3年)が完投した。

 130キロ前後の直球とほぼ球速の変わらないスライダー、チェンジアップを駆使し11三振を奪う好投を見せた。「投げたい気持ちはあった。今日はとにかく、いけるところまでいこうと思った。山下のホームランで気持ちが楽になりました」と今大会2本目の満塁弾を打ってくれた山下の援護を感謝した。「今日みたいに四球を出したら次は使ってもらえないかもしれない。もっとカウントをしっかり取れるようにしたい。最後まで投げられて良かったです」と8四死球を反省しつつも、やりきった表情だった。

 15回引き分けとなった試合では1点を追う9回2死二、三塁で重盗を仕掛けた青柳博文監督の策がまた、はまった。「向井のデータは(相手には)ないと思った。スライダーが通用すればと思っていたが、うまくいきすぎました」と再び“ギャンブル”を成功させた。