夏は甲子園Vだ! センバツに出場した静岡が28日、静岡市内の同校に戻り帰着式を行った。選手を代表し小柳廉主将(3年)が「夏は甲子園優勝を目指します」と力強く宣言。前日27日の2回戦では、優勝候補の大阪桐蔭を相手に6点差を追いつくなど、敗れはしたが確かな成長をみせた静高ナイン。1926年の静岡中時代以来遠ざかる全国の頂点へ、今日29日から再始動する。

 激戦の経験は静高ナインをたくましく成長させた。小柳主将がマイクを握り冷静に、力強く宣言した。

 「試合では多くの方に足を運んでいただき、大阪桐蔭を相手に接戦を演じることができました。夏にはまた甲子園に戻って、部訓にも掲げられる『甲子園優勝』を目指したいです」

 集まった教職員や在校生、選手の両親からは大きな拍手が送られた。同校の優勝は静岡中時代の1926年(昭元)の1度だけ。戦後に限れば1973年(昭48)の準優勝が最高と、ハードルは高い。

 それでも、大阪桐蔭に1回表0-6と先制されながら、その裏すぐに同点に追いつき、一時は2点をリードした粘りは可能性を感じさせた。栗林俊輔監督(44)は「普通なら一方的になる展開。たくましさは磨かれてきた」と評価。「今はようやく芽が出たところ。水をやり、日に当てて、雑草を抜きながら、みんなでしっかり育てて、夏に大輪のひまわりを咲かせよう」と話した。

 左腕エース池谷蒼大投手(3年)も闘志を燃やす。「いつも通りにやれば通用することは分かりました。夏に対応できるよう、一から体をつくっていきたい」。大阪桐蔭戦で球威の落ちた8回に逆転を許したことを猛省し、成長を誓った。

 今夏は県内で追われる立場となるが、油断はない。小柳主将は「みんなが標的にしてくると思いますが、そこで力まず、焦らずにいきたいです」。栗林監督も「注目されても、お前らはスターでもない普通の高校生。謙虚な気持ちを忘れずにやっていこう」と引き締めた。チームは今日29日から再始動。次の公式戦は4月29日開幕の県大会で、夏のシード権獲得に向けた戦いに備える。【鈴木正章】