大阪桐蔭はエース徳山壮磨投手(3年)が、2失点完投で東海大福岡を振り切り2年ぶりの4強。大阪勢2校の4強入りは98年以来19年ぶり。今日30日に準決勝が行われる。

 背中の1番が、最後まで投げきる力をくれた。「チームを勝たせる投手。それが大阪桐蔭の背番号1」。日本ハム中田、阪神藤浪らから受け継いだエースの責任こそ、徳山の力だった。

 8回。清宮擁する早実を沈めた東海大福岡打線につかまった。2点を失い、なおも2死二塁と続いたピンチを切り抜けたとき、西谷浩一監督(47)から「マウンドで落ち着いてるぞ」とうなずかれた。9回も自分、と確信。甲子園初完投で2年ぶり4強を決めた。

 開幕前、実家に「甲子園で人生を変えられるように頑張る。見ていて下さい」と書き送った。「人生を変える春にしよう」は西谷監督が藤浪に伝え、12年春夏連覇投手からドラフト1位になった藤浪が後輩に伝える言葉。徳山も「実感しています」と信じる。昨秋近畿大会府予選準決勝で完敗した履正社も、4強入りした。「秋の借りを返したい」。決勝再戦への挑戦権をつかむ。全力で、秀岳館戦に臨む。【堀まどか】