全国高校野球選手権鹿児島大会は2回戦が行われ、鹿児島の“ピカイチ左腕”神村学園・青柳貴大投手(3年)が快勝発進に貢献した。あこがれる鹿児島実OB、巨人杉内ばりの脱力投法で7回2/3を6安打3失点(自責0)。「フォームに力感はないがフォーム以上に速く投げるボールを意識している」と、リリースで力を入れるキレで勝負した。

 春の九州大会、鹿児島実との決勝で、背番号16ながら先発完投でチームを九州王者に導いた。今大会初戦の1週間前、背番号1を与えられた。エースの称号に気合が入りすぎたのか押し出し四死球などで失点。「自己採点は10点」と本人は猛省したが、小田大介監督(34)は「練習に取り組む姿勢や学校生活を含め、みんなから絶大な信頼があり迷わず1番にした。(決勝まで)連投させる覚悟です」と命運を託す。青柳は9番打者ながら2点適時打を放ち「チームのため毎試合を決勝のつもりで必死にやりたい」と気合を入れ直した。

 寮では普段から率先してトイレ掃除などを行い、全体練習後の個人練習も納得するまで手を抜かなかった。プロ注目の田中怜央那捕手(3年)は青柳について「しっかりしていて自分に厳しくプレーに生きていると思います」と認める。青柳が期待を背負い12年夏以来の聖地にけん引する。【菊川光一】