普段はおっとりで、愛称は「ヒトミン」。入学直後は無名の存在で自覚もなかった。名将のもと、キャッチボール、シャドーピッチングから始めた。食事にも気を配り体重は20キロ増の75キロになった。上達する喜びを知ると、私生活も変わった。ちらかっていた寮の部屋は整理整頓され、体を冷やさないようエアコンもつけなくなった。指揮官は「本田は本当に頑張った。どこが崩してくれるのか楽しみだよ」と自信を見せた。

 女手一つで育ててくれた、母もえみさんがスタンドで見つめる中、最高の投球で夏のスタートを切った。手を傷だらけにして、66個の「必笑」お守りを作ってくれた三浦康太マネジャー(3年)の思いも感じる。「恩返しがしたい。チームメートを助けるピッチングをして、優勝して甲子園に行きたい」。同校初の甲子園、そしてプロへ。この夏、最高のサクセスストーリーの予感だ。【和田美保】

 ◆本田仁海(ほんだ・ひとみ)1999年(平11)7月27日、横浜市生まれ。北大和小1年から野球を始め、捕手兼外野手。小5から投手。つきみ野中では軟式野球部に所属し、中学2年から2年連続で県大会出場。星槎国際湘南では1年春からベンチ入りし2年春から「背番号1」。好きな食べ物は、母が作るオムライス。遠投115メートル。181センチ、75キロ。右投げ左打ち。