シンデレラ・ボーイの最後の夏が始まった。星槎国際湘南(神奈川)のエース本田仁海投手(3年)が上矢部戦に先発。6者連続を含む13三振を奪い3安打完封した。10球団18人のスカウトが視察する中、持ち前の制球力を見せつけた。

 本田の目には、自信と力がみなぎっていた。最後の打者にカウント1-2から内角直球。三飛に打ち取るとポンとグラブをたたいた。「三振を狙いましたが打者の気持ちが強かった。そこまで完璧じゃなかったけど抑えられて良かったです」と頬を上気させた。

 10球団のスカウトの前で三振の山を築いた。「力が入ってしまった」と、初回2死から2四球を出したが、そこから3回2死まで6者連続三振。伸びのある直球に、楽天松井裕を手本にした縦のスライダーで翻弄(ほんろう)した。巨人高橋監督らを育てた土屋恵三郎監督(63)の指導のもと、スリークオーターからオーバースローに変え、直球は約20キロ速くなった。この日も自己最速タイの146キロを計測した。