聖光学院のエース右腕斎藤郁也(3年)が6回を1安打10奪三振の快投を見せ、会津を7回コールド、8-0で下してベスト8進出を決めた。

 圧巻だった。課題である立ち上がりの悪さを克服するため「ブルペンでピークを作ってから試合に入った」という斎藤は、直球を主体に先頭打者から5者連続三振を奪う最高の立ち上がり。2回2死から相手の6番に自己最速タイの142キロ直球を中前に運ばれたが、その後は「完投を意識していた」とスライダーやチェンジアップも織り交ぜて無安打に抑えた。

 春季東北大会初戦の仙台育英(宮城)戦は、4回途中から登板して被安打3、1失点。1-3で敗れたものの「勝負どころでの制球は通用した」とその後は直球の質を向上させるため、重さ約3キロの砂が入ったボールで指先の力を強化。この日も「厳しいコースを意識して、結果的に三振が増えた」と制球に加え球質で相手打線を封じた。

 昨夏の甲子園は2試合に登板してベスト8進出に貢献。「負けた高校の分まで日本一を目指す」と誓う斎藤が、昨夏の借りを返すため、また1歩前進した。