27失点した産業技術高専で奮闘したメガネの1年生控え投手がいた。

 3年生は主将の真田純内野手だけ。1年生の松宮竜海投手と松隈道明捕手がバッテリーを組み、ルーキーがスタメンに5人名を連ねた。松宮が16失点し、4回途中から2番手で遊撃を守っていた遠藤謙一内野手(1年)がマウンドに上がった。死球、四球のあとは4連打…。その間に捕逸。遠藤は、うなだれる松隈に駆け寄って肩をたたいた。自身は灼熱(しゃくねつ)の中、顔を真っ赤にして右腕を振った。投げるたび周囲を振り返って「○アウト~」と声をかけ続けた。

 公式戦デビューは2/3回を投げ打者11人に対し5安打8失点だった。「練習試合で2回ぐらい投げましたが、今まで投げた中で今日が1番暑かったです。走者がいる場面で出るのは得意じゃないので苦しい投球になってしまいましたが、これを来年に生かしたいです」。色の白い165センチ、60キロの小兵は、来年何倍も大きくなって帰ってくるに違いない。