シードの長崎商が苦しんだ末に、延長10回サヨナラ勝ちを収めた。8-8で迎えた延長10回2死一、二塁。代打の井上巧巳外野手(2年)が右越えのサヨナラ打。ナインで歓喜の輪を作った。井上は「前の回から代打でいくぞと言われていたので絶対に打ってやると思っていた」と笑みを浮かべた。

 4回を終わって6-0としがら、先発の桝屋優太郎投手(2年)が5回に乱れて、この回に6点を奪われて同点とされた。1点リードの8回、自らの暴投で同点を許したが、本塁でベースカバーに入った際に走者と交錯。右肩を痛めた。ベンチで緊急治療し「大丈夫です。投げます」と続投を志願。最後まで投げきってサヨナラ勝ちを呼んだ2年生右腕は「痛みは感じなかった。自分がふがいない投球をしてしまったので、責任をとらないといけないと思っていた」と大粒の汗をぬぐった。

 1885年(明18)創立、九州で最古の公立商業学校で、1925年(大14)長崎県では初めて甲子園に出場した伝統校。記念の100回大会初戦で身上の粘り強さを見せて、2年ぶりの夏甲子園へスタートを切った。