成田がサヨナラで多古に勝利した。7-7の同点で迎えた9回裏、1死二、三塁から、5番・稲垣純平内野手(3年)が中堅へサヨナラ犠飛を放ち試合を決めた。

 1回表、先発の仲沢龍良投手(3年)が四球から左前適時打で1点を先制されるも、選手たちに焦りはなかった。主将の田宮裕涼捕手(3年)は「多古は打線がいいと知っていたので打たれるとは思っていた。でも、やられたらやり返す。そうみんなで言い合って臨んでいました」と振り返った。

 その言葉通り、1回裏には田宮の適時打、4番山下陸空内野手(3年)の犠飛で2点を挙げ、逆転。3回表には、再び多古に3点を奪われるも、その裏には1死二塁から田宮がライトへ2点本塁打を放ち同点に追いついた。その後、両チームともに3点を加え、7-7で迎えた9回裏を迎えても、選手たちは動じることはなかった。そればかりか、田宮は「最後の夏は楽しもうと決めていた。チャンスやピンチでこそ、笑顔で戦おう。そして、自分たちの持っている打力を発揮しよう、と言っていた」と、「打」の成田を徹底。サヨナラ勝利に結びつけた。

 尾島治信監督(49)は、「田宮がよく、選手たちを踏ん張らせてくれた。攻撃に守備に、よくやってくれた」と褒めたたえた。