名門・帝京(東東京)が、同校史上初の「1年生二遊間」で7年ぶりの聖地へ向け好スタートを切った。「背番号4」の小松涼馬二塁手は2番を、「背番号6」の沢石淳平遊撃手は8番を任された。初回、トラン・ヒー・キエン外野手(3年)が先頭打者本塁打を放ち、小松が中前打で続いた。50メートル走6秒3の足で盗塁。好機を広げ2点目のホームを踏んだ。デビュー戦は1安打2四球1犠打。打席に立つ前は、いつも通り5年前に亡くなった大好きな祖母を思い浮かべた。「緊張しましたが『おばあちゃん!』と思いながら打った。やれることはやれたかなと思う」と笑った。

 沢石も負けじと2回の初打席で初安打を放ち、1二塁打含む2安打1打点を挙げた。遊撃手になり、まだ1年足らずだが小松とともに無失策でデビュー戦を終えた。「1回ボールが飛んできて落ち着けた。(日本ハム)杉谷(拳士)さんのように1年生から甲子園でショートを守りたい」と第1歩を進み出した。二遊間でコミュニケーションを取ることは、大阪から東京にやってきた小松の支えにもなっている。

 投げては白石結太投手(3年)が6回無安打無失点で海城を9-0で0封した。前田三夫監督(69)は「初戦としてはまずまず。(森本)稀哲(ひちょり=元西武)なんかが1年生でショートをやったが、二遊間をやらせたのは初めて。小松は安定しているし、沢石の守備はうまい。1年生が活力になり、上級生にもプラスアルファのいい流れになれば」と期待する。帝京が頼もしいルーキーとともに100回大会へ乗り込む。【和田美保】