<高校野球西千葉大会:西武台千葉5-4船橋芝山>◇17日◇3回戦◇千葉県柏の葉公園野球場

 西武台千葉のボールボーイを務める若山輝樹内野手(2年)は、オーストラリアからの“単身下宿”で甲子園を目指す異色の球児だ。球審にボールを渡したり、ロジンバッグを準備したり。ベンチの一番近くから1点差の勝利を見守り「興奮しました。緊張感が伝わってくる」と、びっしょり汗をかいた。

 父哲男さんは桜美林-法大-日産自動車の経歴で、日本代表の経験もあるアマ球界のエリート。都市対抗では橋戸賞(MVP)を獲得し、現在はオーストラリアで野球の指導をしている。若山は楽天松井(当時桐光学園)の甲子園最多22奪三振をテレビで見て「やるなら日本で甲子園に出たい」と来日を決意。昨年4月の入学時は日本語も話せなかったが、部員14人と一緒の下宿生活に飛び込んだ。

 大好物はカレーで、今では日本語もペラペラ。打撃練習などの動画を父にLINE送信してアドバイスを受けている。来日直後は、二塁の守備練習中に右中間を抜けた打球に、グラブを投げ捨てて素手で追い掛けたこともあった。皆川浩一監督(58)は「オーストラリアの野球は自由。広いところでやるから、ボールをなくさないようにグラブを外して走る」とカルチャーショックを受けた。20歳の姉、若山あやのは12年の全日本国民的美少女コンテストでモデル部門賞に輝いた。日本を代表する美少女に負けないグッドニュースを、南半球に届けようと奮闘している。【前田祐輔】