春夏連続甲子園出場を決めた創成館の立役者は、プロ注目左腕で背番号1の川原陸投手(3年)だった。投手を6人登録しているが、海星との決勝は川原が1失点で完投した。

 6回裏に本塁打を打たれ1点差となった。その直後の1死三塁のピンチを2連続三振奪取で切り抜けたことが大きい。「6回と最終回はきつかったです」と振り返った。だが、スタンドにいる控え部員を含めた投手陣を代表するように「気持ちで乗り切りました」と、ようやく笑顔を見せた。

 創成館の夏代表は3年ぶり2度目。今年センバツは8強。そつなく得点を挙げることができ、守備力も安定している。長崎県勢は夏の甲子園で4強が最高だが、創成館はそれを上回る可能性を秘めている。

 稙田(わさだ)龍生監督(54)は「今日の川原の完投も、投手全員の力が大会を通じて生きた結果」と話し、さらにチーム全体のまとまりをつかんでいる。「センバツはベスト8でしたが、なんとかその上に行きたい」と口にした指揮官が目指すのは、その上の頂点だ。