相模原が、シード校の向上を下して、4年ぶりにベスト8に進出した。

 攻撃的バッティングを信条とする打線は、向上の7安打を上回る15安打を放った。守ってはエース菅地貫太投手(3年)が先発して6回0/3を3安打3失点。2番手の堀場海投手(3年)の救援を仰ぎつつ、8回無死一、二塁で、再びレフトからマウンドに。2回を無安打無失点に抑えた。佐相真澄監督(59)は、報道陣にMVPを問われると「菅地の頑張りじゃないですか」と即答した。

 そのエースの投球を支えたのが、ベンチ外の3年生が作ったデータだ。6人のデータ班が、相手打者の好きなコースや打球方向などを分析。同監督は「データが結構当たっていますね。飛ぶ方向とか全部詰めて。打てないコースとか。それを信じて配球ができました。勝利は3年の力です。データ班の」と説明した。

 データ班について菅地に聞くと「同じ3年、野球の練習とかできていないくて、ずっとデータをやっていて、だからこそ、本当に勝ちたいという思いが自分の中に強くって」。そこまで言うと、涙で言葉にならなくなった。それでも、おえつ交じりに続けた。「夏のメンバーに入りかけたヤツも、最後にメンバーから外れて、すぐにデータ班に切り替えてくれた。取り組んでくれた。だから、絶対に勝ちたいと思っていた。みんなに感謝したい」と、仲間のおかげで勝てたと話した。

 次戦24日は東海大相模が相手。佐相監督は「束になる。大会前のスローガン、束になる。そういう野球ができている。(次戦は)舞い上がらないように。力勝負で来ると思う。うちも打ち負けないように、しっかり振っていきたい」と話した。菅地は「ベンチから外れたメンバーも協力してくれている。だから、勝ちたいと思います」と、ジャイアントキリングを誓った。