南神奈川と西東京で、ライバル対決が実現する。両地区で準決勝が行われ、南神奈川は対戦成績が互角の横浜と鎌倉学園、西東京は日大三と日大鶴ケ丘が勝ち上がった。「ヨココウ」VS「カマガク」に「サンコウ」VS「ニッツル」。100回大会の切符をかけ、ファンにもなじみの深い強豪同士が激突する。

 日大三(西東京)の日置航内野手(3年)がリベンジ弾を放ち、チームを5年ぶりの決勝に導いた。1点リードの4回、直球をバックスクリーンに運び、高校通算20号をマーク。3点を先制された直後の1回裏には、適時二塁打で反撃の口火を切って、6得点で試合の流れを引き寄せた。

 1年間、思い続けた一戦を制した。東海大菅生とは昨夏の準々決勝、0-5で敗戦。2年唯一のスタメンだった日置は最後の打者に。「先輩の分も勝ちたい」。昨年主軸だった「デカプリオ」こと、金成麗生投手(トヨタ自動車)ら、応援に訪れた先輩に勝利を届けた。

 試合前日、小倉監督から闘争心を刺激された。かつて、関東第一で監督を務めた時に「打倒帝京」で挑み続けた体験談とともに、「去年、出てたんだから、悔しいだろ?」と言われた。因縁の相手に「強い気持ちで」雪辱。夏は3年ぶり、決勝では初の日大鶴ケ丘との決戦で春夏連続の甲子園を決める。【久保賢吾】