南神奈川と西東京で、ライバル対決が実現する。両地区で準決勝が行われ、南神奈川は対戦成績が互角の横浜と鎌倉学園、西東京は日大三と日大鶴ケ丘が勝ち上がった。「ヨココウ」VS「カマガク」に「サンコウ」VS「ニッツル」。100回大会の切符をかけ、ファンにもなじみの深い強豪同士が激突する。

 日大鶴ケ丘の「2枚看板」には、ともに決勝の相手、日大三に強い“思い”がある。2番手登板の三浦拓真投手(3年)はこの日、4イニングを投げ1安打に抑え、打撃でも同点打の活躍。「(日大三は)自分を成長させてくれた。だから負けられない」。昨年5月、両軍控え選手同士による練習試合があった。登板した三浦だったが「このままじゃだめ」と追い込まれるほど打ち込まれた。その翌日から朝練前、学校近くの神田川沿いを10キロ走り込んできた。野茂英雄氏の「トルネード投法」に似た変則投法。ボールの出どころが打者から見えにくいのも武器だ。

 注目の右腕、勝又温史投手(3年)はプロ10球団のスカウトが見る中、最速151キロをマークも5回に崩れた。こちらは11歳の時「三高対鶴ケ丘」の準決勝を神宮で観戦。「強い日大三に力負けしていなかったから」と鶴ケ丘を選んだ。「三浦に迷惑をかけた。次はリベンジしたい」。7年前目に焼き付けた「力」を自己体現する番だ。【玉置肇】