怒濤(どとう)の10連続三振だ。星稜(石川)が松本第一(長野)に11-0で5回コールド勝ち。来秋ドラフト候補の最速150キロ右腕・奥川恭伸投手(2年)が13奪三振の快投で相手打線を圧倒した。

キレのいい直球を投げ込み、初回から4回の先頭打者まで10者連続三振。林和成監督(43)も「長いこと野球をしていますが、10連続三振は初めてですね」と驚きの声を上げた。相手打者のほとんどはバットに当てられず、11人目の打者はセーフティーバントを試みアウトになった。5回で65球を投げて空振り9、見逃し4の計13奪三振で1安打無失点だった。

高校日本代表として9月のU18アジア選手権(宮崎)に出場した。大会中は、今秋ドラフト1位候補の大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)と同部屋。「意識の高いところやストイックな部分を学んだ。大人になったと思います」と林監督が感じるほどに成長した。

星稜は春夏連続で甲子園に出場中。「経験者がいても難しいというのは分かっていますが、今年こそはという思いはあります。選手は高い目標を持ってやっている」と林監督。今後に期待が膨らむ1勝となった。

◆奥川恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年(平13)4月16日、石川県生まれ。宇ノ気小3年から宇ノ気ブルーサンダーで野球を始め、宇ノ気中では全国中学校軟式野球大会優勝。星稜では1年春からベンチ入り。今年は甲子園に春夏出場。春は3回戦の近江戦でサヨナラ打、夏は藤蔭との開幕戦で150キロをマーク。U18アジア選手権日本代表。50メートル走6秒5。183センチ、82キロ。右投げ右打ち。