日本高野連は14日、第91回選抜高校野球大会(来年3月23日から12日間、甲子園)の「21世紀枠」の各地区候補9校を発表した。この中から3校が来年1月25日の選考委員会で選出される。各校の主な選考理由は以下の通り。

◆北海道=釧路湖陵

武修館、釧路江南、釧路工など、強豪ひしめく釧根支部を勝ち抜き、北海道地区大会で公立高校で唯一、ベスト4に勝ち進んだ。進学校として、野球以外にも積極的に取り組むことなども評価された。

◆東北=古川(宮城)

創立122年目の県内有数の進学校。限られた練習時間の中、工夫した練習と集中力で補い、文武両道を貫く。秋季県大会では好投手の千坂を擁し、県で準優勝、東北大会で4強入りした成績も評価された。

◆関東・東京=石岡一(茨城)

農学校を母体に開校した。部員は、普通科、造園科、園芸科のいずれかで学習。放課後の課外学習や農場実習などで全部員がそろわない中でも、創意工夫の練習で密度の濃い練習で強化する。

◆東海=清水桜が丘(静岡)

強豪サッカー部とグラウンドを併用する中、効率的な練習でレベルアップ。文科省が推進する教育改革「アクティブ・ラーニング」にも積極的に取り組み、試合中も選手が方針を決め、全員野球を実践する。

◆北信越=金津(福井)

過疎化が進むあわら市で唯一の高校。慢性的な部員不足に悩む中、工夫した練習で2年連続で秋季北信越大会出場と好成績を収める。部員は、清掃活動や地元での野球普及活動にも積極的に参加する。

◆近畿=八尾(大阪)

1915年創部の伝統校で、春6度、夏4度の古豪。私学が台頭する中、今夏の南大阪大会ではベスト8、今秋の大阪大会ではベスト16と力を発揮。バッテリー中心に、粘り強い試合運びも評価された。

◆中国=平田(島根)

過疎化が進む中、積極的なボランティア活動で地域に貢献する。子供たちの野球離れを食い止めるため、野球先進地域を目指し、町おこしに励む。地元の幼稚園、保育園への「野球普及活動」にも取り組む。

◆四国=富岡西(徳島)

01年、08年と2度四国地区の21世紀枠の候補校に選出されたが、直前で落選した。県南部は甲子園出場校の統廃合が進む中編成、ここ数年、好成績をマーク。阿南市は野球熱が高く、市民も大きな期待を寄せる。

◆九州=熊本西

地元中学の軟式野球部出身者のみで、好成績を挙げた。部室管理班やネット管理班など、ユニークな班編成で創意工夫する。スキル向上と勝利が目標だが、野球を通した人間力育成も重視する。