春季高校野球新潟大会は27日、県内5会場で開幕する。

中条にただ1人の女子部員が加わった。白勢南外野手(1年)で兄は県内屈指の好投手、加茂暁星の白勢悠貴(3年)。女子選手は公式戦でベンチ登録はされないが兄と同じ目線で野球ができることを楽しんでいる。

白勢には願いがある。「少し怖いけど」と笑いながら、「兄と練習試合で対戦できたらうれしい」。公式戦には出られないが、練習試合ならマウンドに立つ兄と打席で対峙(たいじ)できる。

紫雲寺中で野球部に所属。2年生からレギュラーの中堅手だった。高校ではマネジャーを希望していたが、中条の石川浩監督(52)に「選手でやってみないか」と声をかけられた。「どこかにそういう気持ちがあった」と決心した。

中学で野球部の先輩でもあった兄から「打つ時に体が突っ込まないように」とアドバイスを受けた。それを守り、打撃練習ではしっかりミートして外野に運ぶ。「得意」という外野守備は打球に対して的確に1歩目を踏み出す。石川監督は「もちろん今後の練習試合に出場させる」と言う。

春季大会はスタンドから応援する。「声の大きさは自信がある」。グラウンドのチームメート以上の気迫で試合に臨む意気込みを見せた。【斎藤慎一郎】

◆白勢南(しろせ・みなみ)2004年(平16)2月1日生まれ、新発田市出身。米子小2年から野球を始める。紫雲寺中では外野手。好きなプロ野球選手は広島鈴木誠也。158センチ、53キロ。右投げ右打ち。