浜松大平台の鈴木裕汰主将(3年)は、最後の夏を見据えて昨秋に左肩の手術を決断。現在もチームをけん引する準備を進めている。

全ては「最後の夏」のために-。浜松大平台の鈴木裕主将は昨年10月末、脱臼癖のあった左肩の手術に踏み切った。定位置を失う可能性もあったが、「夏前に脱臼したら出場できなくなる」。3年間の集大成に向け、不安を取り除いた。

悔しさが思いを強くした。昨夏は主力として臨み、1回戦で4番に座った。しかし、結果は4打数無安打。7回には足のけいれんでベンチに退いた。2回戦以降の打順は6番、最終的に9番まで下がった。チームは16強に進出も悔いが残った。「全然ダメだった。その悔しさを胸にやってきた」。野球ノートには、自らを戒めるように1回戦の結果が記されている。

春季大会は、2回戦にフル出場。現在も7番に入り、練習試合に出場している。可動域が狭くなるなど、左肩の状態は手術前のようにはいかない。それでも「今できるベストな状態を整えたい」。全体練習が休みの日もトレーニングジムに通い、猛暑での戦いに備えて食生活も改善してきた。

卒業後は就職する予定で、野球は今大会が最後。鈴木裕は「どんな打順でも、与えられた役割を果たしたい。チャンスで打席が回ったら、去年の分まで打ちます」と誓った。最後の夏。もう悔いは残さない。【前田和哉】