高知のスーパー1年生、森木大智投手が最初の夏に背番号1を背負う。高知中で軟式初の150キロを記録。高校でも信頼を積み上げ「エース」の座を射止めた。全国の注目選手を地区別に紹介する6回連載の2回目は中四国編。津田(香川)のサンドゥ・シャーンタヒル投手(3年)は二刀流で勝負。開星(島根)・田部隼人内野手(3年)徳島商・村田龍哉内野手(3年)の強打も見逃せない。

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森木は1年前に高知中野球部でつけていた背番号1を高校でも背負う。プロを多数出している同校でも1年生エースは近年、例がない。同じ高知の明徳義塾中で競った愛工大名電・田村俊介も今夏に1番をゲット。森木も負けていない。

中学軟式で初めて150キロを投げた怪腕は硬式にも順応。最速148キロまで来た。5月の四国大会で20番で救援デビュー。5月下旬、県の体育大会でも20番だった。中学で全国優勝した右腕のトータルの能力はすでに高校トップレベルだ。安岡拳児(2年)の右肩不調もあるが、浜口監督は「順調に来ている」と森木を大黒柱に定めた。本人も「頼られる投手になりたい」と理想を掲げる。

高知中でも指導していた浜口監督だからできる抜てき。硬式球への移行期に細心の注意を払ってきた。同監督は「投げたくてウズウズしている」と笑うが「負担をかけるわけにいかない。連投がない日程でも疲労は蓄積する」と慎重。パワーを効果的に出させる起用法を考えている。

「3年生と甲子園に行きたい。球速よりチームが勝つために投げたい」。春季大会後にそう誓った森木。初戦は21日。10年ぶり夏甲子園への期待が、その背中に託された。【柏原誠】

◆夏の甲子園で背番号1の1年生 68年新浦寿夫(静岡商)77年坂本佳一(東邦)が準優勝している。新浦は1回戦から3完封を含む5試合連続完投勝利を挙げたが、決勝の興国には0-1で敗戦。坂本は準決勝まで2完封を含む4勝も、決勝では東洋大姫路にサヨナラ負けした。他に60年尾崎行雄(浪商)78年愛甲猛(横浜)らが背番号1で出場した。ちなみに、1年夏に活躍した80年荒木大輔(早実)83年桑田真澄(PL学園)は背番号11だった。