最速145キロを誇るプロ注目のエース右腕・石田裕太郎(3年)が、静清を2回戦に導いた。134球を投げ、6安打10奪三振で1失点完投。プロ球団のスカウトが視察する中、富士宮東の最速143キロ右腕・大野裕哉(3年)との投げ合いを制した。

打っても、6回2死二塁で決勝の右前適時打と大活躍。今年1月の就任後、公式戦初勝利となった長田仁志監督(66)も「石田におんぶに抱っこだった」と、感謝した。

それでも、石田自身の表情に笑顔は少なかった。8回に2者連続二塁打を浴び、犠飛で失点。外角直球、春以降に磨きをかけたスライダーで要所を締めたが「勝てたことは良かったけど、8回に甘さが出た。高めに浮いてしまったことは次への課題」と、反省を口にした。「全試合で勝たせる」と誓うエースは、好発進にも浮かれず、浜松開誠館との2回戦を見据えていた。【前田和哉】