第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)南北海道代表の北照が28日、奈良・三郷町内で関西入り後、初の本格的な練習を行った。

この夏全7試合に先発し、845球を投げたエース桃枝丈(3年)が南大会決勝後、初の投球練習。最高気温34度の中、32球を投げ込み、変化球のキレを上げるために腕の角度を微調整した。シート打撃ではグリップの位置を変え3安打3打点と、投打で“リフォーム”成功。聖地1勝へ、順調なスタートを切った。

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ぎらぎら照りつける日差しも、苦にならなかった。南大会決勝から約1週間。しっかり疲れを取ったエース桃枝が、力のあるボールを投げ込んだ。直球にスライダー、チェンジアップを交え32球を投げ「最初は、汗が止まらなかったが、徐々に慣れてきた。こまめに水分を取って、体を冷やしながら投げれば大丈夫」と手応えを口にした。

甲子園をかけた一戦では、スライダーのキレが悪かった。映像を見て、腕が下がり気味になっていることに気づき「意識して直したら、今日はしっかり投げられた」。シート打撃では、上林監督の助言で、顔付近に上げていたグリップを胸付近まで約25センチ下げた。結果は4番として4打数3安打3打点。南大会決勝は5打数で凡フライ3つ。長打を狙いすぎて大振りになっていたフォームを修正し、低いライナーで安打を量産した。

この夏7試合で845球を投じた疲れは、半端なものではなかった。聖地を決めた翌朝は「全身が筋肉痛だった。とにかく体が重かった」と言う。札幌の実家に2泊した際は水風呂に入ってケア。寮に戻ってからも水と湯の交代浴で疲労回復に努めてきた。この日は「まったく疲れはなくなった。フォームも修正できたし、ここから徐々に上げればもっと良くなる」と復調を実感した。

昨夏は甲子園遠征に同行し、メンバーの打撃投手を務めた。「暑さはこれぐらいかなという記憶がある」。昨夏も今夏も、酷暑の中とにかく投げ込んできた。絶対的なスタミナを武器に、今度は大黒柱として聖地に立つ。【永野高輔】