仙台育英(宮城)書道部が硬式野球部も出場する第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の母校プラカードを27日までに書き上げ、大会事務局に発送した。

08年の80回大会から始まった高校球児と若き書家たちのコラボレーション。同書道部は本年度、「書の甲子園」と呼ばれる国際高校生選抜書展で5年連続10度目の東北地区優勝を決め、プラカード書きでも5年連続8度目の担当になった。硬式野球部も昨秋の東北大会で優勝。3大会ぶり2度目の「全国アベック行進」が実現した。

プラカードは半紙に1字ずつ清書した文字をデジタル処理して転写する。今年は母校を含む3校を担当。仙台育英は岡崎聖令(せいら)さん(2年)、鶴岡東(山形)は遠山詩穏さん(1年)、関東代表で選出された山梨学院は大宮望依瑠(のえる)さん(2年)が書き上げた。

母校を任された岡崎さんは「(校名書きは)部員全員でつかんだもの。力強さを意識しました」。遠山さんは「(鶴の字は)画数が多くて全体のバランスを考えました。貴重な経験なのでうれしい」。大宮さんは「(山梨学院は)東北の高校ではないけれど、勝ち上がってほしい」と母校との決勝対決に期待した。【佐々木雄高】

○…仙台育英書道部は今年、再創部30周年を迎えた。「書の甲子園」では昨年度、東北勢初の団体優勝に輝いた。16年からは夏の「パフォーマンス甲子園」にも参加。昨年は東北・北海道地区3位になった。3月中旬に予定していた毎年恒例の卒業記念展は新型コロナウイルスの影響で中止になった。同校OBで在学時、再創部にも関わった就任18年目の渡辺章紀顧問(46)は「(パフォーマンス甲子園でも)全国に初出場して来春、30周年記念展を企画したい」と意気込んだ。