第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕、甲子園)の中止が濃厚となり、道内関係者も複雑な心境を明かした。93年夏に選手として出場、監督として15年春準優勝に導いた東海大札幌の大脇英徳監督(44)は「まず(日本高野連運営委員会の)20日まで待つ。もし中止となったら全道レベルの大会をやるのか、支部だけになるのか。開催可能であれば、練習不足もあるし、ベンチ枠を増やし、負傷者に対応しやすいようにしてくれたら。より多くの選手にチャンスを与えたい」と訴えた。

北海道高野連では、来週中にもオンライン会議を行い、道大会のみの実施が可能かなどを検討する。春夏通算6度甲子園に導いている札幌第一の菊池雄人監督(47)は「3年生のことを思うと…。高校生も指導者も、どう成長できるかということを考えていく試練かもしれない」と、先を見据え、今何ができるかを模索している。

どの指導者も共通して心配しているのは、選手の動揺。北北海道のある指導者は「生徒に会えていない状況で報道のみが先行している。ニュースを見て不安になっている選手は多い」と言う。厳しい練習を耐えた先に何が得られるのか。3年生の無念さは計り知れない。聖地に代わる心のよりどころが求められる。【永野高輔】