虎党は我慢強くなったのである。おかしなことを書くがそんなことを思ったのは7回表だった。午後7時51分に始まった日本ハムの攻撃。カストロの代打適時打などで3点を上げ、同8時17分まで26分間も続いた。そこまで西勇輝、伊藤大海の好投でペースよく進んでいた試合は、ここで停滞したのである。

虎党は7回裏開始前にジェット風船を飛ばす。いろいろな意見はあるが甲子園観戦、大きな楽しみの1つだろう。問題はタイミングだ。球団、球場側は7回表終了後に膨らませることを求めている。従うファンもいるが、気持ちもはやるし、7回表からフライング気味に準備する人も、やはり、いる。

昔からそうだ。だが、ここで問題がある。7回表、阪神の守備時間が長くなったときだ。失点したり、塁上に走者がたまったり。押されている状況ということだ。一部の虎党はここで我慢できず、膨らませるだけでなく、そのまま風船をリリースしてしまう。「あきらめのジェット風船」だ。はっきり言って、かつては、よく見たものだ。

しかし、この日、その状況は発生しなかった。虎党は26分間をこらえ、しっかり膨らませて7回裏を迎えたのである。ファン気質が変わったこともあるが、これは結局、阪神が強くなったということだろう。「ラッキーセブン」で逆転するのでは-。そんな期待を抱かせるムードが常にあるということだ。

野球は投手と、常に言われる。伊藤はよかった。特に佐藤輝明のインコースにぐいぐい投げ込んでくる投球は圧巻。セ・リーグの戦いではあまり見られない様子だったと思う。真っ向勝負である。

「(配球は)そこは特にアレですけど。まあ状態がよくなかったので。最後、ちょっと修正して。まあ、悪くないと思うんで。まあ、よかったです」。4打席目に内角球に詰まりながら右前にはじき返した佐藤はそう話した。なかなか面白い勝負だったと思う。

課題とされる交流戦初戦に完敗し、今季最多の連勝は「5」でストップした阪神。1つの区切りだろう。まだまだ試合は続く。「明日(27日)、新しいゲームですから。伊藤投手がきょうは素晴らしかった。明日は加藤(貴之)投手としっかり対戦していくというところになりますね」。指揮官・藤川球児も2戦目に目を向けたのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)